とある大手通信会社の系列の企業を受けたときのことです。最初説明会を兼ねた一次選考会に参加し、無事にその一次選考は通ったらしく、後日面接に呼ばれました。そこでの面接が一風変わったものでした。複数人面接だったのですが、面接官は就活生に
「各自自分の持ち物の中から1つ何か選ぶように」
と指示をしてきました。
何を、どういう基準で選べばいいのか、選んだものを何に使うのかも言われないまま、とりあえず持っていたシャープペンシルを選んだのですが、続いて面接官はこんな指示を出してきました。
「これから、その選んだものを営業として売り込むロールプレイングをやってもらいます、2人ペアで、片方は営業、もう片方は営業先の社長という設定で演じて、終わったら交代して交互にやってください」
一応受けていたのはその会社の営業職だったので、営業に大切なことは何だと思いますかとか質問されるかなと考えてはいたのですが、意外な展開に驚きました。営業職は何社か受けましたが、こういうロールプレイングを要求してきたのはその会社だけでした。演じる前に、各自5分間のシンキングタイムが与えられ、その商品をどう売り込むか、相手がどんな質問を返してくるかなどを想定したり準備を整えました。
ロープレ開始!結果は!?
自分も5分間全力で考え脳内で想定を繰り返し本番に臨みました。とはいえ、5分で整えられる準備には限界があります。
始まって最初のうちはある程度想定通りに会話を進められますが、段々「えーと」とか「それでですね」とか間が持たなくなってきました。営業の時間は2分間だったのですが、2分経つ前にほぼ用意していたネタも尽き、最後の方は間延びしてロールプレイングを終えました。周りもだいたい似たようなもので、なかなか完璧に営業職に成りきっている逸材はいませんでした。
結果としては、そのロールプレイングが悪かったのかどうなのか、面接は落ちてしまいましたが、変に目つきの悪い面接官に圧迫面接されるよりは、自分で考え即興で課題に取り組むその選考方法は面白かったですし、仕事をする上で実践的な能力を測っているという感じがしたので、不採用にでもいい経験になったと思いました。